パート・アルバイトと正社員の給与ルールを揃えると助成金が出る——建設会社が見落としがちなキャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース)?
2026/5/15
結論から言うと、有期雇用のパートや契約社員を雇っている建設会社なら、業種を問わず対象になります。
「うちは建設業だから関係ない」と思っている社長が多いんですが、これは全業種対象の助成金なので、建設会社でも普通に使えます。
申請期限や金額は年度ごとに変わるため、最新情報は厚生労働省の公式ページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html)で必ず確認してください。
この助成金、何をすればもらえるのか
キャリアアップ助成金の「賃金規定等共通化コース」は、一言でいうと「有期雇用労働者と正規雇用労働者に共通の賃金規定を新たに作って適用した事業主」に支給されるものです。
正社員には就業規則に賃金規定があるけれど、パートや契約社員は別扱い、という会社が多いですよね。
そこに共通のルールを整備することで、処遇の均等・均衡を進めるのが狙いです。
たとえば、従業員20人の内装工事会社で、正社員10人・有期契約の現場補助員5人・パート事務2人がいるとします。
今まで正社員の賃金テーブルしか就業規則になかった場合、有期雇用の人たちにも同じ基準の賃金規定を適用する仕組みを整えることが、このコースの要件になります。
ちなみに「共通化」というのが重要で、単に有期雇用向けの賃金規定を別途作るだけではダメ。
正規と非正規が同じ賃金規定の体系の中に入る、という形式が求められます。
この点を誤解して申請してしまうケースが現場では結構あるので、注意してください。
申請の前にやっておくこと
この助成金で一番見落とされがちなのが、「取組を実施する前日までにキャリアアップ計画を提出しておく必要がある」という点です。
賃金規定を改定してから「さあ申請しよう」と動いても、計画の事前提出がなければ対象外になります。
正直、ここで引っかかって申請できなかった会社を何社も見てきました。
キャリアアップ計画は、労働組合か労働者の代表者の意見を聴いたうえで作成し、所轄の都道府県労働局またはハローワークに提出します。
書式は厚生労働省のダウンロードページから入手できます。
計画の中には、どの労働者をどのように処遇改善するかを具体的に書く必要があり、「とりあえず出しておけばOK」という性質のものではありません。
計画提出が完了したら、実際に賃金規定等を整備・適用し、一定期間後に支給申請という流れになります。
申請の際は、改定後の就業規則・賃金規定、労働者への周知証明、適用された労働者の賃金台帳などが必要になるので、社内で書類の整理をしながら進めるのが現実的です。
経理担当や社労士と連携しながら動くといいでしょう。
建設業が使うときの現実的な話
建設業でこの助成金を検討する際、実務上よく問題になるのが「有期雇用の現場作業員をどう扱うか」という点です。
季節や工事量によって雇用期間が変動する業態では、同じ職種でも雇用形態がバラバラになりやすい。
その全員を共通の賃金規定に乗せるのは、管理コストの話も含めてそれなりに覚悟が必要です。
ただ、2024年問題への対応で時間外労働の上限規制が適用されてから、建設業でも処遇改善への意識が高まっています。
「どうせ就業規則を見直すなら、この助成金も一緒に使う」という流れで動いている会社が増えているのも事実です。
年商3億円規模の土木会社でも、制度整備に合わせてこのコースを活用している事例はあります。
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無料で登録する →また、賃金規定等共通化コースは単独で使うだけでなく、賃金規定等改定コース(有期雇用労働者の賃金を3%以上アップ)や、賞与・退職金制度導入コースと組み合わせて活用することも可能です。
会社の現状に応じて、どのコースを優先するか整理してみてください。
こんな場合はどうなる?
すでに有期雇用向けの賃金規定があるが、正社員と別建てになっている
これは「既存の規定を共通化する」のではなく、「新たに共通の賃金規定等を規定・適用する」という要件との関係で確認が必要です。
既存の規定がある場合でも、正規と非正規が同一の賃金規定に統合・適用されるかたちであれば対象になり得ますが、「新たに規定した」と言えるかどうかは個別の判断が必要なので、ハローワークか社労士に確認することをおすすめします。
派遣社員ばかりで直接雇用の有期労働者がいない場合は?
派遣社員は雇用主が派遣会社なので、元請けの建設会社がこのコースを使うことはできません。
自社で直接雇用している有期雇用労働者・短時間労働者がいることが前提です。
ただし、派遣会社自身がこのコースを使うことは可能なので、グループ内に派遣会社がある場合はそちらで検討する余地があります。
申請のタイミングはいつが正解?
支給申請の期限は、取組を行った日から一定期間以内と決まっています。
この期間は年度ごとに変わることがあるうえ、支給申請様式も取組を行った日によって変わるので、古い様式を使ってしまうミスには注意が必要です。
「去年使った様式がそのまま使える」と思い込んで申請した結果、やり直しになったケースも聞いたことがあります。
申請の都度、最新の様式をダウンロードする習慣をつけてください。
まとめ
キャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース)は、有期雇用の社員を抱える建設会社であれば業種の壁なく活用できる制度です。
ポイントは3つ——取組前日までのキャリアアップ計画の提出、正規・非正規を統合した共通の賃金規定の整備、そして最新様式での支給申請。
就業規則の見直しを社労士と進めているタイミングがあれば、そこにこのコースを組み込むのが現実的な動き方です。
令和8年度版のパンフレットが2025年4月に更新されているので、制度の細部は最新版で確認してみてください。
この記事は厚生労働省「キャリアアップ助成金」公開情報(2025年4月時点)をもとに作成しています。
助成金の金額・要件・申請期限は年度ごとに変更されることがあります。
申請前に必ず最新の公募要領および支給要領をご確認ください。
詳細は厚生労働省公式ページまたは所轄のハローワーク・都道府県労働局にお問い合わせください。