障害者を雇っている建設会社、正社員化でいくらもらえる?キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)の実態
2026/5/17
結論から言うと、建設会社でも使えます。
障害のある有期雇用の社員を正社員に転換すれば、キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)の対象になります。
全国どこでも申請できる国の制度で、業種の制限もありません。
ただし、金額の詳細と申請期限は年度ごとに変わるため、厚生労働省の公式ページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html)で令和8年度版のパンフレットを必ず確認してほしいところです。
この助成金、そもそも何のための制度なのか
キャリアアップ助成金は、パートや契約社員など非正規雇用の労働者を正社員に登用したり、処遇を改善したりした事業主に国がお金を出す制度です。
複数のコースがある中で、「障害者正社員化コース」は、障害のある有期雇用労働者を正規雇用に転換した場合に助成されるコースになっています。
通常の正社員化コースとは別立てで、障害者雇用に特化した枠組みです。
建設現場では、軽度の知的障害や精神障害を持つ方が資材管理や清掃、軽作業などで活躍しているケースがあります。
そういった方を「とりあえず契約社員で」と雇い続けているなら、正社員化のタイミングでこの助成金を活用できる可能性があります。
障害者手帳の種類(身体・知的・精神)は問われませんが、雇用保険の適用事業所であることなど基本的な要件は満たす必要があります。
申請前に確認すべき条件
まず確認したいのが、転換する労働者の雇用形態です。
有期雇用契約で働いている方を正規雇用(無期・フルタイム)に転換することが基本の要件になっています。
短時間正社員への転換や、無期雇用から正規雇用への転換など、転換の種類によって助成額が変わることがあるため、詳細は令和8年度版の支給要領で確認するようにしてください。
次に重要なのが、「キャリアアップ計画」の事前提出です。
正社員化を実施する日の前日までに、この計画書をハローワークに提出しておかなければ、後から申請しようとしても受け付けてもらえません。
現場で多いのは、「うちの会社ではとっくに正社員にしたのに、計画書を出していなかったから使えなかった」というケースです。
転換の意思決定をしたら、まず計画書の提出を優先してほしいです。
また、転換後の賃金が転換前を下回っていないこと、就業規則や雇用契約書が整備されていることも確認ポイントです。
建設会社は職人さんの労務管理が口頭や慣習ベースになりがちなので、書類まわりをしっかり整えておくことが申請成功のカギになります。
申請の流れはこの順番で動く
まず、ハローワークにキャリアアップ計画を提出します。
これが最初のステップであり、最も重要なステップです。
計画書の様式は厚生労働省のサイトからダウンロードできます。
労働組合がある場合は意見を聴いたうえで作成し、ない場合は労働者の代表者からの意見聴取が必要になります。
計画提出後、実際に正社員転換を実施します。
転換日が助成金の基準日になるため、雇用契約書や辞令など書面で記録を残してください。
その後、転換から一定期間が経過した後(支給要領で確認)に支給申請を行います。
申請先は事業所を管轄するハローワークです。
申請には転換前後の賃金台帳、雇用契約書、障害者手帳のコピーなど複数の書類が必要になるため、早めに準備を進めておくことをおすすめします。
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社会保険労務士や行政書士にサポートを頼む会社も少なくないので、慣れていない場合は専門家に相談してみるのが現実的です。
こんな場合はどうなる?
Q. 障害者手帳を持っていないパートの方を正社員にした場合は?
このコースでは対象外になります。
手帳を持っていない方の場合は、通常の「正社員化コース」の要件を確認してみてください。
障害者正社員化コースは、手帳の所持が前提の制度です。
Q. 従業員10人以下の小さな建設会社でも申請できますか?
企業規模による制限はありません。
従業員3人の型枠大工の会社でも、要件を満たせば申請できます。
ただし、雇用保険の適用事業所であることが前提になります。
Q. キャリアアップ計画を出す前にもう正社員にしてしまいました。
残念ながら、そのケースでは申請できません。
計画の事前提出が絶対条件です。
今後また転換を予定している方がいるなら、先に計画書を出しておきましょう。
Q. 助成金を受けたあと、すぐに退職されたらどうなりますか?
支給後一定期間内に退職した場合は返還を求められることがあります。
詳細は支給要領に記載されていますが、助成金目当てだけの転換は後々リスクになるので、本人の定着を前提に動くことが大切です。
まとめ
障害のある有期雇用の従業員を正社員に転換するなら、キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)は見逃せません。
業種・規模を問わず全国の建設会社が対象になります。
ポイントは「転換の前にキャリアアップ計画を提出する」という一点で、ここを外すと申請権利そのものが消えてしまいます。
助成額や様式は年度ごとに更新されるため、必ず令和8年度版の最新情報で確認してから動いてください。
手続きに不安があれば、管轄のハローワークに電話して「障害者正社員化コースの申請について相談したい」と伝えるのが一番早い動き方です。
この記事は厚生労働省「キャリアアップ助成金」の公開情報(2025年4月時点)をもとに作成しています。
助成額・要件は年度ごとに改定されることがあります。
申請前に必ず最新の公募要領・支給要領をご確認ください。