パートや契約社員に賃上げしたら助成金が出る——建設会社がキャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)を使う前に知っておくこと?
2026/5/16
結論から言うと、建設会社でも使えます。
有期雇用の作業員やパート事務員の基本給を3%以上引き上げて、賃金規定に反映させれば、このキャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)の対象になります。
全国どこの建設会社でも申請できる国の制度で、業種制限はありません。
ただし、申請額や締切は年度ごとに変わります。
令和8年度版のパンフレットが2025年4月8日に厚生労働省から公開されているので、具体的な金額は必ず最新の公募要領で確認してほしいところです。
詳しくは厚生労働省の公式ページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html)で確認できます。
そもそもどんな会社が対象なのか
対象になるのは、有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者、いわゆる非正規雇用の人たちを雇っている事業主です。
建設業の場合、現場の日雇い的な契約で働く作業員、事務所のパート事務員、契約期間を決めて雇っている施工補助スタッフなどが該当します。
正社員だけの会社には使えません。
肝心の要件は、基本給の賃金規定を改定して3%以上増額すること。
口頭で「今月から給料上げるね」ではダメで、就業規則や賃金規定の書面に落とし込む必要があります。
ここを省いて後で申請できなかったというのが、現場でよく聞くパターンです。
また、申請前日までに「キャリアアップ計画」を労働局に提出しておくことが必要です。
これを後から出すことはできないので、賃金改定を実施する前に動く必要があります。
計画の策定には労働組合か労働者代表の意見聴取も必要なので、段取りに少し時間がかかります。
申請の流れ——順番を間違えると詰む
まずキャリアアップ計画を作成して、取組実施日の前日までに管轄の労働局へ提出します。
次に賃金規定を実際に改定し、対象労働者に適用します。
その後、支給申請書類を揃えて申請する、という流れです。
正直、この順番を逆にやってしまう会社が多いんです。
「賃上げしたから申請しよう」と動いたら、計画の事前提出が漏れていて申請できなかった——そういう相談を何度受けたか分かりません。
賃上げを検討し始めた段階で、すぐに計画の準備に入るのが鉄則です。
申請書類は、様式が年度ごとに改定されています。
取組を行った日の時点で使用すべき様式が決まるので、古い様式を使い回すのは避けてください。
厚生労働省の申請様式ダウンロードページから最新版を取得するようにしてほしいところです。
電子申請にも対応しています。
建設会社が見落としやすいポイント
現場でよく引っかかるのが、「基本給」の定義です。
諸手当を増やして実質的に総支給額を上げても、基本給の賃金規定の改定が伴っていなければカウントされません。
建設業は手当が多い傾向があるので、特に注意が必要です。
たとえば従業員20人の型枠工事会社で、現場作業員のうち5人が有期雇用だったとします。
この5人全員の基本給を3%以上引き上げて賃金規定に明記し、適切に申請すれば助成金の対象になります。
逆に、正社員と同じ仕事をしていても、雇用形態が正規なら対象外です。
ちなみに、同じキャリアアップ助成金には「賃金規定等共通化コース」や「正社員化コース」など複数のコースがあります。
賃上げを機に処遇改善を検討しているなら、どのコースが自社の状況に合うか、まとめて確認しておくと効率的です。
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Q. 現場作業員を日々雇用で使っているが対象になるか?
日々雇用は原則として対象外です。
雇用期間の定めのある有期雇用契約であることが要件になります。
雇用形態を確認した上で、雇用契約書の整備も含めて労務担当者や社会保険労務士に相談してみてください。
Q. 賃上げは1人でも申請できるか?
要件を満たす対象労働者が1人でも申請は可能です。
ただし、1人あたりの助成額と申請コストのバランスを考えると、ある程度人数がいる会社のほうが費用対効果は高いです。
年商1億円台で有期雇用が2〜3人という会社なら、まず人数と改定額から試算してみるといいでしょう。
Q. 過去に賃上げした分は遡って申請できるか?
できません。
事前にキャリアアップ計画を提出していることが条件なので、計画提出前に実施した賃上げは対象になりません。
これが一番もったいないパターンです。
Q. 書類は自分たちで揃えられるか?
様式自体は厚生労働省のサイトからダウンロードできますし、電子申請にも対応しています。
ただ、賃金規定の改定や就業規則の整備が伴うので、社会保険労務士に関与してもらうのが現実的です。
書類不備で申請が通らないケースも少なくないので、初めての申請は専門家に確認してもらうほうが安心です。
まとめ
キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)は、有期雇用の労働者に賃上げをする建設会社であれば全国どこでも申請できる国の助成金です。
要件の核心は「基本給の賃金規定を改定して3%以上増額すること」と「取組前日までのキャリアアップ計画の事前提出」の2点。
この順番を守れるかどうかが、申請できるかどうかの分かれ目です。
助成額の詳細は年度ごとに変わるため、令和8年度版パンフレット(2025年4月8日更新)を公式サイトで確認した上で動き始めてください。
賃上げの時期が近づいているなら、まず管轄の労働局かハローワークに電話してみるのが一番早いです。
詳しい申請要件・最新情報は、https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.htmlの公式ページでご確認ください。
この記事は厚生労働省「キャリアアップ助成金」の公開情報(2025年4月時点)をもとに作成しています。
助成額・要件は年度改定により変更される場合があるため、申請前に必ず最新の公募要領および支給要領をご確認ください。