キャリアアップ助成金とは?建設会社が使える条件と申請方法を解説
2026/4/7
キャリアアップ助成金は建設会社でも使えるのか?
結論から言うと、建設会社でもキャリアアップ助成金は活用できます。非正規雇用労働者(有期契約・パート・派遣社員)を正社員化したり、処遇改善を行う建設事業主が対象となるんです。
人手不足に悩む建設業界において、職人や現場スタッフのキャリアアップを支援しながら助成金を受け取れる制度なので、ぜひ活用を検討してほしいところですね。
この記事では、建設会社がキャリアアップ助成金を申請する際の条件・金額・手順を、厚生労働省の公式情報(出典:厚生労働省)をもとに詳しく解説していきます。
どんな建設会社が対象になるのか?
キャリアアップ助成金の対象となる建設事業主の条件は、まず雇用保険適用事業所であることが必要になります。
建設業許可の有無は問わないので安心してください。
また、非正規雇用労働者を雇用していることと、キャリアアップ計画を作成し、労働局の認定を受けることが求められます。
そして実際に正社員化や処遇改善などの取り組みを実施することが条件となっています。
たとえば従業員15人の内装工事会社で期間限定の職人を雇用している場合や、パート事務員を雇用している建設会社、派遣労働者を受け入れている建設業者、季節労働者を雇用する土木会社なんかが該当するでしょう。
企業規模・売上高・従業員数による制限はありません。中小企業・個人事業主でも申請可能なんです。
ただし、雇用保険に加入していることが前提となりますから、未加入の場合は先に手続きを済ませる必要があります。
いくら助成金がもらえるのか?
キャリアアップ助成金は、実施する取り組み内容によって助成額が変わってきます。
建設会社で活用しやすい主なコースを見てみましょう。
1. 正社員化コース
有期契約労働者を正社員に転換した場合、中小企業なら1人あたり57万円(生産性向上が認められる場合は72万円)がもらえます。
大企業の場合は1人あたり42万7,500円(生産性向上が認められる場合は54万円)となっています。
派遣労働者を直接雇用した場合は加算措置もありますから、さらにお得になりますね。
2. 賃金規定等改定コース
非正規雇用労働者の基本給を3%以上増額改定した場合はどうでしょうか。
中小企業なら1人あたり3万2,000円~11万2,000円(対象人数により変動)、大企業の場合は1人あたり2万1,000円~7万1,000円がもらえる仕組みになっています。
3. 賞与・退職金制度導入コース
非正規雇用労働者に賞与・退職金制度を新たに設けた場合、中小企業は1事業所あたり38万円~48万円、大企業は1事業所あたり28万5,000円~36万円の助成を受けられます。
注意:助成金額は年度ごとに見直される可能性があるため、最新情報は厚生労働省の公式ページで必ずご確認くださいね。
建設会社が申請する際の流れは?
さて、実際の申請手順を見ていきましょう。
キャリアアップ助成金の申請は4つのステップで進めます。
ステップ1:キャリアアップ計画の作成・提出
取り組み実施日の前日までに「キャリアアップ計画書」を作成し、管轄の労働局またはハローワークに提出する必要があります。
計画書には対象となる非正規雇用労働者の範囲、実施する取り組み内容(正社員化・賃金改定など)、実施時期・目標を記載してください。
ステップ2:取り組みの実施
計画に基づいて、実際に正社員化や処遇改善を実施していきます。
建設業の場合、有期契約の職人を無期契約の正社員に転換したり、パート事務員の時給を3%以上引き上げたり、非正規雇用者にも賞与制度を導入するといった取り組みが考えられるでしょう。
ステップ3:助成金の支給申請
ここで気になるのが申請のタイミングです。
取り組み実施後、6か月間の賃金支払いを終えた翌日から2か月以内に支給申請書を提出しなければなりません。
必要書類は支給申請書、賃金台帳・出勤簿、就業規則または労働契約書、転換前後の雇用契約書(正社員化コースの場合)などになります。
ステップ4:審査・支給決定
労働局で書類審査が行われ、要件を満たしていれば助成金が支給されます。
審査期間は通常2~3か月程度かかりますので、資金繰りの計画を立てる際はこの期間も考慮に入れておいてください。
建設会社が注意すべきポイントは?
1. 計画は必ず事前提出すること
よくある失敗パターンなんですが、取り組みを実施してから計画書を出しても助成金は受けられません。
必ず実施前に提出してくださいね。
これを忘れると、せっかくの努力が水の泡になってしまいます。
2. 雇用保険・社会保険の加入が前提
建設業では社会保険未加入の事業所もまだまだありますが、助成金申請には雇用保険の適用事業所であることが必須条件となっています。
未加入の場合は先に加入手続きを済ませましょう。
3. 賃金台帳・出勤簿の整備が必要
助成金申請では賃金支払いの証明が求められるため、日雇いや現金払いが多い建設業でも適切な帳簿管理が欠かせません。
普段からしっかりと記録を残しておく習慣をつけておくことをお勧めします。
4. 正社員化後も6か月以上雇用すること
正社員化コースでは、転換後6か月間の継続雇用と賃金支払いが条件になっています。
短期間で退職させてしまうと助成金が支給されませんから、長期的な雇用を見据えた人選が重要ですね。
よくある質問(FAQ)
Q1. 一人親方や外注先の職人も対象になりますか?
A. 対象外です。
キャリアアップ助成金は「雇用関係がある労働者」が対象です。
一人親方や業務委託契約の職人は雇用労働者ではないため助成金の対象になりません。
直接雇用に切り替えた場合は対象となります。
Q2. 建設業許可がない工務店でも申請できますか?
A. 申請可能です。
建設業許可の有無は問われません。
雇用保険適用事業所であり、非正規雇用労働者を雇用していれば申請できます。
Q3. すでに正社員化した従業員も遡って申請できますか?
A. 原則として遡及適用はできません。
キャリアアップ計画を提出する前に実施した取り組みは助成金の対象外です。
必ず計画提出後に正社員化等を実施してください。
Q4. 他の助成金と併用できますか?
A. 同一の取り組み・同一労働者に対して、他の助成金との併給はできません。
ただし、異なる従業員や異なる取り組みであれば、複数の助成金を同時に活用することは可能です。
Q5. 申請に費用はかかりますか?
A. 申請自体に費用はかかりません(無料)。
ただし、社会保険労務士に申請代行を依頼する場合は報酬が発生します。
自社で申請することも可能です。
まとめ:建設会社こそキャリアアップ助成金を活用すべき
キャリアアップ助成金は、建設業界の人材確保・定着に非常に有効な制度だと言えるでしょう。
重要なポイントをまとめると、補助金名はキャリアアップ助成金で、対象は非正規雇用労働者(有期・パート・派遣)を雇用する建設事業主となります。
金額は正社員化で最大72万円/人、賃金改定で最大11万円/人などで、全国の都道府県労働局・ハローワークで申請できます。
期限は通年受付(ただし取り組み実施後2か月以内に申請)となっており、必須条件として雇用保険適用事業所であることと、キャリアアップ計画の事前提出が求められるんです。
建設業界は人手不足が深刻化しており、職人の高齢化も進んでいますよね。
非正規雇用の若手を正社員化し、長期的に育成することは企業の競争力強化につながりますから、この制度を積極的に活用していただきたいところです。
申請を検討している建設会社の経営者・管理部門の方は、まず管轄の労働局またはハローワークに相談し、自社の状況に合った活用方法を確認してください。
詳しい要件や最新の助成額は厚生労働省の公式サイトでご確認ください。
本記事は公開時点の情報をもとに作成しています。
最新の要件・期限は出典元の公式サイトでご確認ください。