技能実習の費用、最大75%が国から戻る——「建設労働者技能実習コース」は建設業だけの専用制度、使い損ねていないか
2026/4/6
結論から言うと、建設業は「専用コース」がある
この助成金、一般の人材開発支援助成金とは別に、建設業向けの専用コース「建設労働者技能実習コース」が設けられています。
つまり建設事業主であること自体が、このコースを使う大前提になる。
一般の製造業や小売業は対象外で、建設業専用の制度なんです。
金額と期限については後ほど触れますが、まず「建設業として雇用保険の適用を受けている事業主かどうか」が最初の確認ポイントになります。
出典は厚生労働省の公式ページ(建設事業主等に対する助成金|厚生労働省)です。
最新の金額・期限は必ずこちらで確認してください。
この記事を書いている時点では、具体的な支給額・申請期限は制度改正の可能性があるため、公式情報を最終判断の根拠にしてほしいと思います。
どんな訓練に使えるのか
このコースは、建設労働者に対して技能実習を行った場合に、その費用や賃金の一部を助成してくれる仕組みです。
対象となる訓練は「建設関係の技能実習」で、具体的には建設業振興基金や都道府県の職業能力開発協会などが実施する技能講習・安全衛生教育などが該当します。
自社内でやる「OJT」だけでは対象にならない点は注意が必要で、外部の認定訓練機関で行われるものが基本となっています。
たとえば従業員20人の型枠大工会社が、若手の職人3人を足場作業主任者の技能講習に送り出すとします。
その受講料と、訓練中に払った賃金の一部が助成対象になるイメージです。
「研修に行かせたいけどコストが気になる」という社長には、まさにそこをカバーしてくれる制度といえます。
助成の種類は2つある
このコースには大きく「経費助成」と「賃金助成」の2種類があります。
経費助成は訓練にかかった受講料などの実費を一定割合で補填するもの、賃金助成は訓練中の賃金について1人1日あたりの定額が支給されるものです。
どちらか一方ではなく、両方を組み合わせて受給できるケースが多い。
ただし、助成率や1日あたりの金額は企業規模や訓練の種類によって変わります。
中小建設事業主(おおむね常用労働者300人以下)のほうが助成率が高く設定されていることが多いため、年商2億〜5億円規模の地場ゼネコンや専門工事会社には特に活用余地があります。
具体的な数字は制度改正のたびに変わるので、申請前に必ず管轄の都道府県労働局またはハローワークに確認してください。
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無料で登録する →申請の流れ、どう動けばいい?
まず訓練を実施する前に、「訓練実施計画届」を都道府県労働局に提出する必要があります。
これが事前届出で、訓練開始日の前日までに出せていないと、後から申請しても受理されません。
この「事前届出を忘れる」パターンは、20年この仕事をしていて本当によく見てきました。
社長が「あ、来月研修あるんだった」と気づいたときにはもう手遅れ、ということが少なくない。
次に訓練を実施して、修了後に「支給申請書」を提出します。
申請期限は訓練終了日の翌日から起算して2ヶ月以内が基本ですが、こちらも最新の要領で確認が必要です。
その後、審査を経て支給決定の通知が届き、指定口座への振込となります。
書類としては訓練の受講証明、賃金台帳、タイムカードなどが必要になるため、訓練実施中から証拠書類をきちんと保管しておくことが重要です。
現場でよく出る疑問に答える
Q. 一人親方でも使えますか?
一人親方は雇用保険の適用事業主ではないため、原則として対象外です。
ただし、建設業団体が実施する訓練に関しては別の助成スキームがある場合もあるので、所属する組合や協会に確認してみてください。
Q. 外国人技能実習生の訓練も対象になりますか?
雇用保険の被保険者として在籍している外国人労働者であれば、対象となるケースがあります。
ただし、在留資格の種別や雇用形態によって判断が変わるため、個別に労働局へ確認するのが確実です。
Q. 訓練中に業務をやらせてしまった場合はどうなりますか?
訓練時間中に実際の現場業務に従事させてしまうと、その時間は訓練時間として認められません。
書類上の訓練時間と実態が食い違うと、最悪の場合は支給取消・返還命令になります。
ここは厳しく見られるポイントです。
Q. 申請を社労士に依頼できますか?
社労士が申請代理人になることは可能です。
書類の量や事前届出のスケジュール管理を考えると、顧問社労士がいる会社は早めに相談しておくのが得策でしょう。