持続化補助金、従業員20人以下の建設会社なら販路開拓に最大200万円——職人の頭数はどう数えるか
2026/4/2
結論から言うと、建設業も小規模事業者持続化補助金(一般型)の対象になります。
ただし「小規模事業者」の定義が業種によって違うので、まずそこを確認してほしい。
現時点で第16回の公募は締切済みで、次回(第17回以降)の公募時期は未定です。
金額については後述しますが、上限50万円(条件によって最大200万円)が基本ラインになります。
建設業が「小規模事業者」に当たるかどうか
小規模事業者の定義は、製造業・建設業・運輸業などでは「従業員20人以下」、商業・サービス業では「5人以下」です。
つまり建設業であれば、従業員が20人を超えていなければ対象になる可能性がある。
現場の職人を何人抱えているか、まずそこを数えてみてください。
ただし注意点があります。
この補助金は「商工会議所の管轄地域」で事業を営む事業者向けです。
商工会(商工会議所とは別の組織)が管轄するエリアの場合は、別のサイト(商工会版の申請窓口)から手続きすることになります。
自社がどちらの管轄かわからなければ、地元の商工会議所に電話で確認するのが一番早い。
補助金でできること——建設会社の場合
「販路開拓」と聞くと、小売業や飲食店向けのイメージがあるかもしれません。
実際、建設会社の経営者からも「うちは施工業者だから関係ないのでは」と言われることがあります。
でも、使える場面はあります。
たとえば従業員12人の外壁塗装会社が、自社ホームページを一からリニューアルして施工事例ページを充実させた場合、そのウェブ制作費は補助対象経費になりえます。
あるいは年商1.5億円程度の内装工事会社が、チラシや会社案内を刷新して地域の不動産業者への営業資料として使う、という活用も考えられる。
「補助金でロゴを作る」「展示会に出展する」といった使い方も、きちんと経営計画と結びついていれば認められるケースがあります。
業務効率化の取り組みも対象です。
受発注管理のシステムを導入する、見積書作成を効率化するソフトを入れる——こういった投資も、補助対象経費として計上できる場合があります。
ただし、単なる設備投資や工事用機材の購入はNGです。
あくまで「販路開拓または業務効率化」に直結する経費でなければいけません。
補助上限と補助率の現実
通常枠(一般型)の補助上限は50万円、補助率は2/3です。
つまり75万円の経費を使えば、50万円が補助されるイメージです。
ただし「賃金引上げ枠」「卒業枠」「後継者支援枠」「創業枠」などの特例枠を活用すると、上限が最大200万円まで引き上がります。
賃金引上げ枠は、最低賃金より30円以上高い賃金を支払っている事業者が対象で、補助上限が200万円になります。
このあたりの加算条件は毎回の公募要領で変わることがあるので、最新の公募要領(https://s23.jizokukahojokin.info/)を必ず確認してください。
「去年の資料を使い回して申請したら条件が変わっていた」というのは、よく聞く失敗パターンです。
申請の流れ——まず商工会議所への相談から始める
申請で最初にやることは、地域の商工会議所に「経営計画書の作成支援をお願いしたい」と連絡することです。
この補助金は、商工会議所から「事業支援計画書(様式4)」を発行してもらわないと申請できません。
書類を窓口に持ち込んで、担当者に内容を確認してもらう必要があります。
次に、補助事業計画書と経営計画書を自分で作成します。
「どんな販路開拓をするのか」「その効果をどう測るか」を文章で説明するわけですが、ここが一番の関門です。
事業計画書が薄いと採択されにくい。
20年この仕事をしてきて感じるのは、「何をやるか」より「なぜそれが自社の強みにつながるのか」を丁寧に書いた計画書のほうが通りやすい、ということです。
その後、電子申請システム(第15回・16回は専用ポータル)から必要書類を一式アップロードして申請します。
採択後は補助事業を実施し、実績報告書を提出して初めて補助金が支払われます。
採択=入金ではないので、そこは間違えないようにしてください。
現場でよく出る疑問に答えます
Q. 建設業なのに「販路開拓」と言われても、どう説明すればいい?
たとえば「地元の新規顧客層(マンション管理組合など)に向けて施工事例をまとめたパンフレットを制作し、管理会社への営業ルートを開拓する」のように、誰に・何を・どうやって売り込むのかを具体的に書くことが重要です。
「ホームページを作る」だけでは弱い。
その先に何があるかを書いてください。
Q. 採択されてから経費を使わないといけない?
基本的にはそのとおりです。
採択通知が届く前に発注・購入した経費は補助対象外になります。
例外的に「事前着手申請」という制度があった回もありますが、それも公募要領の確認が必要です。
Q. 従業員18人でも申請できる?
建設業の小規模事業者の定義は「常時使用する従業員が20人以下」なので、18人なら要件は満たします。
ただし「常時使用」の定義(正社員・パート・役員の扱い)は公募要領に明記されているので、そこは正確に確認してほしい。
曖昧なまま申請すると後から問題になることがあります。
Q. 採択後に報告を怠るとどうなる?
事業効果および賃金引上げ等状況報告書の提出が義務付けられており、未提出の場合は次回以降の申請に制限が課される可能性があります。
「補助金をもらって終わり」ではなく、事後フォローまで含めたスケジュールを組んでおく必要があります。
次の公募に備えて今やること
現在(2025年時点)、第16回公募は締切済みです。
次回以降の公募スケジュールは、公式サイトで随時発表されます。
「また次があるから」と後回しにすると、次の回も気づいたら締め切っている——これもよくあるパターンです。
今のうちにやっておくべきことは2つです。
まず、地元の商工会議所に顔を出して担当者と関係を作っておくこと。
そして、自社の強みと課題を整理した「簡単な経営メモ」を作っておくこと。
公募が始まってから計画書をゼロから書こうとすると、時間的に厳しくなります。
準備できている会社とそうでない会社では、採択率に差が出てきます。
詳細条件や最新の公募要領は必ず公式サイトで確認のうえ、判断に迷うときは地元の商工会議所か、中小企業診断士・行政書士などの専門家に相談してみてください。